
スケルトンリフォーム、新築よりも費用が高い場合も!?
最近よく聞かれるようになった「スケルトンリフォーム」。
勿論、周りから見え見えの透明な家ではありません。
「スケルトン」は「骨格」という意味です。スケルトンリフォームとはその名の通り、建物の構造躯体(骨組み)以外をすべて解体して行う、大規模なリフォームのことです。
一般的に中古マンションで施工されることが多いですが、一戸建てでも採用されることがあります。浴室やキッチンといった水周りの移動から、階段の掛け替えなど、大幅な間取り変更が行えるため、新築のように住まいを一新することができます。
スケルトンリフォームのように大規模な解体を伴わず、床材や壁紙の張替えのみを行うことは「表層替え」や「表層リフォーム」、水周りの設備や部分的なものを入れ替えることは「部分リフォーム」と呼ばれます。
リフォーム会社の多くが提供している「新築のように生まれ変わる」というのは、大体が表層替えや部分リフォームを組み合わせたものが多いみたいです。
住まいの一新を希望する場合には、スケルトンリフォームを行なったほうが良いのか、表層替えや部分リフォームを組み合わせたプランで対応できるのかを見極める必要がありますが事前に知識だけでも持っておけば精神面でも楽になると思います。
◆一戸建てのスケルトンリフォームの進め方
家をすべて解体して一旦更地にする場合は、ユンボやクレーンなどの重機を用いて比較的短期間で行うことが可能です。
ただ、スケルトンリフォームは解体ではありません。建物の構造躯体を傷付けないように、手作業で解体する必要があります。
手作業の解体という事は人件費がかさみます。そのため重機による解体以上の費用が掛かったり、解体の工期が倍以上になったりするケースもあります。
また、スケルトンリフォームが新築と大きく異なる点は、解体を進めていく際に思わぬ問題が発生する可能性があることです。
築年数や事前の調査から、構造躯体に経年劣化が起きているかもしれないと予想は立てておきます。そして実際に解体工事を行ってみて、柱や土台に白アリ被害や激しい腐食が見つかることもあります。
躯体に傷みがある部分は入れ替え作業を行い、耐震面に問題があると診断された場合には、耐力壁や筋交い(柱と柱の間に斜めに入れる補強)の追加が必要です。
また、基礎が弱いと確認できた際にはコンクリートの打ち増しなどで補強を行います。スケルトンリフォームは、内装の施工の前に行う構造体の補強が最も重要です。
◆一戸建てでスケルトンリフォームを選ぶ理由とは
テレビのリフォーム番組などで、スケルトンリフォームが紹介される機会も多いかと思います。
古い家の柱などを残しながら解体する様子を観ると「全部壊して建て替えたほうが早くない?」と思うと思います。一般的なリフォーム工事は建て替えよりも安いというイメージが強いですが、一戸建てのスケルトンリフォームは費用がかさみ、既存の建物の状況によっては新築より高額になることもあります。
それでもなぜ、手間も費用も掛かるスケルトンリフォームを行うのでしょうか。それは、特殊な事情を持つ敷地にあります。
建築基準法は幾度も改正が重ねられてきたため、築年数の古い一戸建ては現行の法基準に適合していないこともあります。
既存の家にそのまま住み続けるのであれば問題ありませんが、いちど更地にして建て直す場合は、現在の法律に合わせた工事を行わないといけません。
なので専有面積の関係から、建て替えると「家が狭くなる」ということもあります。そのため「接道義務」と呼ばれる条項に適合していないケースの場合、スケルトンリフォームが選ばれることが多いです。
◆敷地の後退が必要なケース
現在の建築基準法では、宅地に接する道路の幅を4m以上確保するよう定められています。幅4m未満の道路沿いの家を建て替える場合には、敷地のセットバック(後退)が必要です。
このセットバックの対象となる住宅は都市部の住宅密集地に多く、特に狭小地の場合は、数mでも後退すると建て替え後の床面積が大幅に減ってしまうケースもあります。
なので4m未満で、今の床面積を維持したまま住まいを生まれ変わらせるためには、スケルトンリフォームしかないという事です。
◆新築や再建築が出来ない場合も
現行の法律では、家の敷地が幅4m以上の道路に2m以上接する必要があると定められています。つまり、この条件を満たさない土地には新たな家を建てることはできません。
このような土地にある家を「再建築不可物件」と呼びます。
「旗状地(はたじょうち)」や「旗竿地(はたざおち)」と呼ばれる、細い路地で道路に接する奥まった土地にある建物などが代表的です。
再建築不可物件を更地にして建て替えること出来ない為、住まいを一新するにはスケルトンリフォームしかないというわけです。
■おわりに
以上の事から、スケルトンリフォームは、建築基準法の関係で建て替えをすると家が小さくなる場合やそもそも建て替えが出来ない時に使われるのが多そうです。
そこまで古くなく、通常のリフォームで大丈夫な場合はコスト的にもそちらを選ばれるとよさそうです。
仲介手数料を軽くしてみませんか?
物件がお決まりの方はご連絡を!
この記事を読んだ人はこんな記事を読んでます!
- 20代でも不動産は購入出来る!むしろおススメ
- 20代~30代の若者は中古住宅のリフォームで楽しんでいる!
- 「改築○年」しか書かれていない物件は危ない!
- 【タワマン増税】高層階の課税強化で上がる部屋、下がる部屋について
- 【マンション】破られやすいセキュリティとそうでないもの
- 【住まい給付金】活用するとお得!
- 【後悔】住宅購入で失敗した事ランキング
- シニア世代が駅近の新築分譲マンションを購入。その理由は?
- セルフ型仲介のマンション選びに役立つ!?27社のデペロッパー
- マンションの最上階が人気なのは何故か?
- マンションは「築10年」以内で探すと損をするのは本当でしょうか?
- マンション購入。「価格」を比較することで「価値」が見える
- リフォームで固定資産税が上がる?
- リフォームとリノベーションは何が違う?
- ローコスト住宅の評判は?
- ワンステップ上の暮らし、デザイナーズマンションの特徴を知る!
- 不動産で使う税金に関する用語集
- 不動産に掘り出し物は存在しない
- 不動産の基礎知識、購入前に知っておきたい事!
- 不動産会社に仲介を依頼する時の留意点
- 中古マンション。ここだけは欠かせない!管理に関する事
- 中古マンションのメリットについて
- 中古マンションの検討は、情報入手のスピードが大事
- 中古マンションを買う際、皆さんが値段以外で気にしている事。
- 二世帯マンションが人気の理由
- 人気のデザイナーズマンション。購入前に必ず確認したい点!
- 住宅ローン「フラット35」はご存知ですか?
- 住宅ローンの際の借入額はご存知ですか?
- 住宅ローン減税制度の手続きについて
- 初めてマイホームが欲しいと思ったあなたへ
- 地下室を造るには?地下室のメリット・デメリット
- 売却する可能性も考えて買うと賢い!30代マンション購入のメリットとデメリット
- 子育て世代!住宅選びのポイント
- 安心は「床下」から?中古物件購入時に意外と見落としがちなポイント
- 安普請や欠陥住宅に注意!営業マンが指南する物件の選び方
- 家を買う・購入するタイミングは??
- 年収300万円台でも注文住宅を建てれる!意外に多い5人に1人
- 指定流通機構(レインズ)とは
- 新婚で家を買う!間取りはどの様にする?
- 新築戸建て物件を選ぶコツ!
- 新築物件のメリット・デメリット
- 時代は逆転!中古マンション時代の到来!
- 海辺の家は購入する前に『塩害』に関する正しい知識と準備を!
- 物件の下見。プロはここを見る
- 物件購入を決め、いざ申し込み!その前に確認を!
- 空き巣対策は物件選びから!防犯チェックポイント
- 購入した物件が欠陥住宅だったらどうしますか?
- 転職したばかりでも住宅ローンは組めるのか?
- 長く住めるマンションの条件とは
- 頭金は何のために必要なのか?また、いくらあればマイホームを買えるのか?
- スケルトンリフォーム、新築よりも費用が高い場合も!?